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かさこじぞう

むかし、 むかし、 ある ところ に、 やね を ふく かや 一ぽん も ない じいさま と ばあさま が いました。 あした は 正(しょう)月(がつ) だ と いう のに こめ を かう かね も ありま せん。 ぺったん ぺったん きんじょ で は もう もちつき が はじまりました。

「もちつき の 音(おと) は いつ きいて も いい もの じゃ。」 「ほん に のう。 うち で も なんぞ 正月 さま の ようい を しましょう よ。」 「よしよし、 そん なら まち まで たきぎ を うり に いって くる。」 じいさま が たきぎ を せおって そと へ でました。

空(そら) は くもって いま にも ゆき が ふり そう です。 「じいさま、 き を つけて な。」 「だいじょうぶ、 いい もの を どっさり かって くる から のう。」 じいさま は 手(て) を ふって でかけて いきました。

まち は たいへんな にぎわい です。 「たきぎ は いらん か のう。 たきぎ は いらん か のう。」

じいさま が こえ を かけて も だれ ひとり あいて に して くれません。

「ばあさま、 がっかり する だろう なあ......」 じいさま は ふり はじめた ゆき の なか を とぼとぼ と かえって いきました。 すると 大(おお)きな 木(き) の 下(した) に、 かさうり の じいさま が し ょんぼり すわって いました。

「たきぎうり の じいさま よ。 なんぼ か うれた か ね。」 「いいや うれねえ。」 「おら も おんなじ だ。」 かさうり の じいさま が ためいき を つきました。

「どうせ うれない もの どうし。 おら の たきぎ と おまえ さん の かさ を とりかえない か。」 「そう だ な。 それ も よかろう。」 ふたり の じいさま は たきぎ と かさ を とりかえました。

「やれやれ、 すっかり おそく なって しまった。」 じいさま は、 かさ を せおって おおいそぎ で あるき だしました。 ゆき は どんどこ どんどこ ふって きて、 山(やま) も のはら も まっ白(しろ ) です。 「おお、 さむい、 さむい。」 いい ながら ふと まえ を みる と、 みちばた に おじぞうさま が 七(なな)つ なかよく ならんで たって いました。

じいさま は おもわず たちどまって 手 を あわせました。 「なに は なくて も どうぞ たっしゃ で くらせます ように。」 おいのり を して ひょいと かお を あげたら、 おじぞうさま の あたま に も ゆ き が いっぱい。 「おや まあ、 これじゃ さむかろう に。」

じいさま は おじぞうさま の あたま の ゆき を はらい のけ、 かさ を ひとつ ひとつ かぶせて あげました。 ところが かさ は 六(む)つ しか ありません。 「はて、 こまった ぞ。」

しばらく かんがえて いた じいさま は、 じぶん の ほほかむり を とって さいご の じぞうさま に かぶせて あげました。

かさ と ほほかむり を かぶせて もらった おじぞうさま たち は とっても あったか そう。 なんだか じいさま まで あったかく なった ような き が しました。 「これで もう だいじょうぶ。」 じいさま は なんど も ふりかえり ながら かえって いきました。

「ばあさま、 いま もどった ぞ。」 「あれあれ、 じいさま、 さむかった ろう に。 なんぞ いい もの が ありました か。」 「それが のう。 まるで うれなくて。 しかた が ない から かさ と とりかえ、 みんな おじぞうさま に かぶせて あげた。」 じいさま は きょう の こと を ばあさま に はなして あげました。 「それ は いい こと を なされた。 さあ、 はやく いえ に はいりませ。」

じいさま は いろり の ふち に すわる と、 ほっ と した ように いいました。 「いま ごろ は おじぞうさま も ぬくう おもうて ござる よ。」 「ほんに のう。 きっと よろこんで いなさる だ。 なあに おじぞうさま の こと を おもい ながら とし を こしましょう。」 ふたり は つけもの で あわがゆ を すすり、 はやばや と やすみました。

ところが その よふけ、 おもて の ほう で なにやら おもい もの を はこぶ かけ ごえ が きこえて きました。 よいさ よいさ よいさ よいさ 「はて いま じぶん なん の さわぎ じゃろ。」

じいさま は おきて いって おもて の と を あけました。 すると どうで しょう。 そこ に は おじぞうさま の はこんで きた こめだわら や さかな が いくつ も おいて ありました。

「おじぞうさま、 ありがとう ございました。」 ふたり は はつひので の なか に かえって いく おじぞうさま に むかって そっ と 手 を あわせました。